都心だから可能な高齢者に優しい街「東京のウォーカブルタウン」

老後住む場所として、最近では「ウォーカブルタウン」への注目度が高まっています。
「ウォーカブルタウン」とは、住まいから徒歩圏内に生活に必要な施設がそろっていて、自分の足で歩いていける街のことをいいます。
東京23区内でもウォーカブルタウンに該当する街が存在します。
また各地でもウォーカブルタウンの取り組みが進んでいます。
今回は老後に住みたい街ランキングの結果なども踏まえて、老後の住まいを選びたい街を紹介します。

都心暮らしのメリットは交通網と商業・文化施設、環境の充実

経済誌「プレジデント」が2012年に関東・関西の不動産関係者各100人を対象に行った「老後住みやすいと思う町ベスト10」の調査結果によると、首都圏では上位5つ中4つまでが23区内の街で、老後の住まいとして田舎より都心を選ぶ人が多いという結果になりました。

豊かな自然に囲まれての田舎暮らしは一見リタイア後の住まいに最適なようにも思えますが、交通網の整備が不十分だったり商業・文化施設が少なかったりして、不便を感じることも少なくありません。
これに対し、都心では商業施設はもちろん文化施設や娯楽も充実しています。
少し出かけるだけで新しい感動や刺激に出合うことができるなど大きなメリットもあるので、老後も東京に住みたいと考える人が増えています。

世田谷区杉並区港区に代表される都心のウォーカブルタウン

 老後の暮らしに最適の都心のウォーカブルタウンとして、まず紹介するのは世田谷区です。
京王井の頭線田園都市線京王線小田急線と複数の路線が走り約10~20分で新宿・渋谷まで出られるため、交通利便性は抜群です。
加えて、東京23区内唯一の渓谷である等々力渓谷に代表される豊かな自然にも恵まれ、二子玉川や下北沢など商業施設の多い地域もそろっており、現役世代から高齢者までに幅広い人気がある地域です。

そんな世田谷区の中でもおすすめなのは、東急大井町線二子玉川駅と上野毛駅の間から北に向かって広がる瀬田・上野毛エリアです。
風致地区にも指定されているこのエリアは、商業・オフィスの拠点として賑わう二子玉川がすぐ近くにあるとは思えないほど閑静な住宅街で、高級住宅地としても知られています。
エリア内には国宝「源氏物語絵巻」を収蔵する五島美術館、エリアのすぐ北には砧公園や世田谷美術館などの自然・文化施設も充実しています。
各科のクリニックもそろっているほか、路線バスを使えば大きな病院にも簡単にアクセスできるなど、老後の住まいとしての好条件が整っている場所です。

世田谷区内とその近辺で、閑静な高級住宅地の代名詞ともいえる玉川田園調布エリア周辺、数多くの学校が点在し落ち着いた街並みを見せる成城学園エリア、地元の商店街にも活気があり豊かな自然と便利な暮らしの両方を存分に享受できる等々力エリアも、東京で住みやすい街、住みたい街アンケートでは真っ先に名前が挙がる街であり、ぜひおすすめしたい場所です。

世田谷区以外では、一戸建てが多く町の緑が豊かなことでも知られる杉並区も老後に住みたい街として人気があります。
区内にはJR中央線、京王井の頭線、西武新宿線などの路線 が走り、それぞれの駅の周辺には商店街があるので生活の利便性は抜群です。
新宿まで約10~20分と都心へのアクセスも良好です。
中でも西部の西萩窪・荻窪エリアは、大正から昭和にかけては鎌倉と並んで別荘地として人気が高く、与謝野晶子や井伏鱒二、大田黒元雄など多くの文化人が暮らした歴史と文化の残る街です。現在では与謝野公園や大田黒公園なども整備され、自然と文化の香りを感じられる閑静な住宅地となっています。

六本木、赤坂、麻布など都内有数の商業街・オフィス街を持つ港区もまた、ウォーカブルタウンとして老後の生活向きのエリアです。
東部をJR山手線と都営地下鉄浅草線が走り、ほかにも都営地下鉄三田線、大江戸線、東京メトロ南北線、銀座線、千代田線、半蔵門線、日比谷線と多数の路線が緻密な交通網を作っているので、どこへ行くにも便利です。
また徳川家の墓所である増上寺、江戸初期の大庭園が残る旧芝離宮恩賜庭園、東京都立庭園美術館など歴史ある庭園や文化施設がそろい、都心にもかかわらず非常に緑が充実しています。
また地域ごとに麻布十番商店街、白金商店街、三田商店街など活気のある商店街が残っているので、日常の買い物にも困ることがありません。

港区内におすすめできるエリアはたくさんありますが、最近は汐留や芝浦などベイエイアに登場した高層マンションの人気が高まっています。
ショッピングや医療機関、駅へのアクセスなどすべてが徒歩約5~10分で可能なことに加え、高層階なら家の中から東京湾の夜景を楽しむことも可能です。
すぐ近くには広大な浜離宮恩賜庭園が広がり、四季の自然を身近に感じることができます。

いい物件を見つける鍵は日頃の情報収集にあり

郊外に暮らす最大のメリットは豊かな自然や静かな環境ですが、都心でも場所次第では、歴史や文化の香りがする街で、自然に囲まれた生活を送ることもできます。
加えて便利な交通網や充実した商業施設も利用できるので、好みにぴったり合った物件を見つけることができれば、老後の生活の充実度は確実に上がることでしょう。
人気エリアの物件は売りに出るとすぐに買い手がついてしまうことが多いので、気に入ったエリアが見つかったら日頃からアンテナを張っておきましょう。

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